コラム：ひざ痛を治そう！
「脚長差調整による関節痛治療運動」

ひざ関節や股関節が悪い患者さんは、左右の脚の長さが違うことが多いものです。痛みをかばって歩いていると、長い間にそうなってしまうのです。

中には２〜３ｃｍもの左右差がある方も珍しくありません。このように、両脚の長さのバランスが崩れた状態のまま運動を続けても、効果はなかなか出ません。

どの運動を行う場合でも、ヒアルロン酸やコンドロイチンなどの軟骨成分を摂取することに加えて、必ず脚長差調整で両脚のバランスを整えてから、始めるようにしてください。朝起きたとき、ほかの運動の前に行ってください。

初期の変形性膝関節症なら、この脚長差調整を行うだけで痛みが緩和されることもよくあります。毎朝起床時に行うことで、痛みの発生を防いだり、変形性膝関節症の進行を遅くしたりする効果が期待できます。

・脚長差調整

横向きに寝て、片足斜め前で肩を引く

１．うつぶせになり、左右のお尻の筋肉を比較してみる。自分ではよくわからない場合は、人に見てもらう。

２．左側のお尻がやせていて、左足が短い場合、体の左側を上にして横になり、上になった左足を斜め前方３０〜４５度の間に出して力を抜き、そのまままっすぐ下ろして床につける（ベッドの場合は足をベッドから垂らす状態にする）。

３．左肩を左足が浮かない程度に背中のほうに倒し、その姿勢を１５０秒程　度保つ。

右側のお尻がやせていて、右足が短い場合は、体の右側を上にして同様に行います。お尻で判別できないときは、イスに座って足を組んだときに、上にくるほうのひざを上にして横になって行ってください。この場合､必ずしも痛むほうが上にくるとは限りません。

１日１回、朝ベッドから出る前に１回だけ行ってください。反対側を行ったり、２度３度くり返したりすると、逆効果になります。

股関節や腰の痛みが生じた場合は、上げた足を３０〜４５度の幅の範囲で痛みの出ない角度に移動させてやってみましょう。

この運動で、お尻にけん引痛が現れることがあります。その際には、右の股関節が弱い人は右ひざを、左の股関節が弱い人は左ひざを少し曲げることにより、痛みが緩和します。ただし、この場合は１５０秒の運動時間を１８０秒にふやしてください。

股関節に痛みが生じたり、腰痛が増したりした場合は、痛みが出ない位置に少し移動して行ってみましょう。それでも痛みが消えないときはしばらく運動を中断してください。

参考にしてみてください。

なお、ひざ痛が気になる方に愛用されているのがヒアルロン酸です。ヒアルロン酸とは、ムコ多糖類の代表的な成分ですが、その大きな特徴は１ｇで６リットルの水を保持できるという、その保水性です。最近、美容や関節サプリメントの主成分としてヒアルロン酸が注目されていますが、これは主にこの能力によるものです。

ヒアルロン酸はその保水能力により、関節の中で、軟骨の持つクッションの役割を補完・代替してくれることから、関節系のサプリメントの主要成分として重宝されている、というわけです。関節痛や変形性ひざ関節症にお悩みの方はヒアルロン酸サプリメントも活用してみてはいかがでしょうか。

ちなみにヒアルロン酸の飲み方として、同じく軟骨を形成する成分であるグルコサミンや、その形成を助けるコンドロイチンと同時に摂ることで相乗効果が期待できると言われています。最近ではこれら３つの成分が同時に摂れるサプリメントも販売されていますので、興味がある方は試してみてください。

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